其の1
七面鳥のぴぃ助はずんぐりとした自分の体型を呪った。そしてイケメンモデルに憧れた。目標はクジャクであった。あの美しい容姿を得たいと思った。パリコレに出たいと思った。そして努力した。
もっと長い足,すらりと伸びた首,さらには弛んだ顎の肉も整形によってすっきりとさせた。
モデルのように背の高くなった七面鳥のぴぃ助,それを人はダチョウと呼んだ。
其の2
七面鳥のぴぃ子は養殖場の脱走を企てていた。このままだとサンクスギビングの肉として売られる運命である。フェンス越しに通りを行く人々を眺め,そして声をかけた。
「ここから出してくれたら,この産みたてのタマゴをあげるわよ」
「生憎だが私はお金しか受け取らないのだ」
男は政治家であった。
次にやってきた女にも声をかけた。「あたしと取引しない? 損はさせないよ」
女は「いいわよ」と答えると,鞄から書類の束を取り出し,
「契約書の作成には別途料金がかかります。損失を出した場合の補填の担保はありますか? 基本相談料は一時間で…」
女は弁護士であった。
無一文のぴぃ子は,三人目の男に望みを託した。
「あたいをここから出してくれたら,望みのものをやあげるわよ」
「そいつはありがてぇ」
男はぴぃ子をひょいと持ち上げると,小脇に抱えて自宅の精肉店へと戻っていった。
