update 2008/01/08

2006年1月

● ウィーン徒然,到着編

日曜日午後、ウィーンに到着。空港から市内まで一番安いのは電車。空港 の地下に下り、まずはそこにあるスーパーで買出し。アルコール補給とも言う。 日曜日なので、町中で開いている店は非常に少ない。

この電車、同じプラットホームに上りも下りも入ってくるため、分かりに くい。階段を下りた方向と同じ方向に進む電車であれば、それは市内行きであ る。というのでは不親切なので、行き先表示にWolfsthalと書いてあるものに は乗らないこと。

切符は乗車前に自販機で買う。行き先のボタンを押すと料金が表示される ので、その金額を投入する。と言えば簡単そうだが、旅行者には理解不可能な マシンである。行き先でWien Mitteというのを見つけられれば良いのだが、も し分からなければ最低金額の一区間分切符を買って車内で清算することもでき なくはない。ちなみにこの電車、必ず検札が来るので、絶対に切符を持って乗 ること。

自慢ではないが、この機械の前で「地球の歩き方」を手にしつつ途方に暮 れている日本人観光客を、今までに何人も助けてきた。但し若い女性に限る。

Wien Mitteまで行き、そこから地下鉄U3に乗り換える。地下鉄に乗る際は、 進行方向を間違えずに。市の中心Stephansplatzに行くには、Ottakring方面の 地下鉄に乗る。「オタクの輪に向かう」と憶えておけば失敗は無い。 Stephanspkatzまではたったの2駅。ここから地上に出れば、そこはもうウィー ンのど真ん中である。

日曜日で店は全て閉まっているとは言え、そぞろ歩きする観光客と大道芸 人で賑わっている。歩行者天国をブラブラ散歩していると、Egon Schieleの展 覧会の看板を発見。Schieleの絵を見たのはもう随分昔のこと。ふらふらと展 覧会に吸い込まれ、軽い頭痛と目眩を感じつつ出てきた。画集を買おうかとし ばらく悩んだが、やっぱりやめた。

再び市内を徘徊し、夕食をとるところを探した。店の外に「本日のオスス メ」で鹿肉というのがあったので、そこに決定。店に入ると日本人かと聞かれ、 日本語のメニューを持ってきた。

でもそのメニュー、ウィナーシュニッツェルのような観光客料理しか載っ てない。片言のドイツ語で、店の表に書いてあった鹿肉料理はないの?と聞く と、「なんだドイツ語、話せるじゃないか」と日本語メニューをひったくられ、 代わりにドイツ語メニューを持ってきて、マシンガンのように説明を始めた。

かろうじて聞き取れた説明によれば、ステーキとグラーシュ(ビーフシチュー みたな煮込み)があるらしい。迷わずグラーシュを注文。好物です。それと軽 い赤ワイン。

満腹ほろ酔い気分で、耳が切れそうなほど寒い夜のウィーン市街を歩き、 ホテルに到着。シャワーを浴びてベッドに直行。旅の疲れもあって、翌朝まで 爆睡。

● ウィーン徒然,観光編

ウィーンの国連ビルはドナウ川の中洲にあり、訪問する人を必ず迷子にさ せる曲りくねったデザイン。内部を歩くにはGPSが必要なほど。ここで働くT氏 とカフェテリアで昼食。2年ぶりの再会である。ビルから外のドナウを眺める と、なんと上でホッケーをしている人がいる。人が歩けるほど凍っているらし い。こちら側は流れの無い旧ドナウなので、スケートができるほど厚い氷が張 るのか。

仕事は毎日きっちり夕方まで続く。でも商店は6時きっかりに閉まってしま う。5時半にホテルに戻ってきて、そのままウィーン市内の楽譜屋Doblingerに 飛び込む。色々と品定めする時間は無いので、とりあえず予定していたBrahms のヴァイオリンソナタ第1番とSchumannのピアノ四重奏曲を購入。今のところ アンサンブルの予定は無いが、とりあえず持っておきたいというだけの理由。

ネットで予約していたコンサートチケットを受け取りに、楽友協会ホール のチケット売り場へ。今夜のコンサートはKuechl四重奏団。Brahmsホールは楽 友協会大ホールと同じ建物内で、すぐ横に並ぶ小さめのホール。その気になれ ば、隣のホールに潜り込む事もできるかも。

開演までは時間があったので、ホテルザッハーの裏にある有名なCafe Mozartに入った。おのぼり観光客としてここは外せない所。軽く一杯のつもり で入ったのに、サンドイッチやらを注文し、結局夕食になってしまった。隣で 一人静かに新聞を読みながらコーヒーを飲んでいた老人、よくよく見るとよだ れを垂らしながら眠っている。常連なのかも。

2杯のワインでほんわか気分になりながら、楽友協会ホールへ戻る。今夜の メインの出し物はBeethovenの弦楽四重奏Op.59/3(ラズモフスキー第3番)。終 楽章の突き進むようなフーガに思わず興奮。この楽しみ無しにウィーン出張は 有り得えない。

● ウィーン徒然,おみやげ編

ウィーンでの仕事最終日。翌朝は早朝出発なので、最も重要な仕事、お土 産買い出しをせねばなりません。仕事を終えて町に戻ってきたのが夕方4時。 残り2時間がショッピングの最後のチャンス。

まずはGraben通りからSt.Peter寺院へちょっと入った所にあるWiener Schokoladekoenigへ。 ウィーンでも評判のチョコレートショップなんだそうです。

店員のおばさんが、ドイツ語で挨拶したあと、いきなり「コンニチハ」。 これだけしか知らないのよー、とか言ってましたが、こっちとしては何故日本 人とバレたのか気になります。「どうして韓国人とか中国人って思わないの?」 と聞くと、何故か分かるんだとか。何故なんでしょ?ちなみに中国人観光客は、 必ず値切ろうとするらしいです。

続いて有名なDemelへ。ここはカフェ もあって、日本人観光客が良くきますが、そんな悠長な時間はありません。プ ラリネと板チョコをささっと決めたら、お金を払っておしまい。次の店へ。

Julius Meinlは高級食材店。常宿 にしているホテルの直ぐ近くにあるので、ウィーンに行くと必ず立ち寄ります。 ヨーロッパ各地のお菓子なんかも売っていますが、ここではコーヒー豆。ドイ ツ・オーストリアの濃くて美味しいコーヒーを飲んでいると、アメリカのコー ヒーなんて単なる色水です。

折しもイラン関係のIAEA緊急理事会で何やら賑やかだったウィーン。まぁ 自分には関係の無い話なんで、そんな緊張感もどこ吹く風とチョコレートを買 いまくった2時間でした。