update 2006/04/08

2006年1月

● Parisトラブル続き,外国出張と定宿,トラブルの始まり

昨年後半より世界中を飛び回っている、と言うと言い過ぎですが、またパリに 出張です。今回、仕事はたったの一日、13日の金曜日のみ(なんか不吉)。本当 なら土曜日に帰国したかったんですが、航空運賃の関係で、土曜日一日パリで 遊ぶことにしました。

ここ一年、同じ都市に出張する事が多くなってきました。パリとウィーン、 まるで音楽関係者みたい。外国出張の度にいつも悩むのがホテル。仕事場に近 く、かつ遊びにも行きやすそうな3☆クラスのホテルをネットで探し、評判を 調べ(宿泊客のレヴューとか)、さらにネット予約価格で一番安いところを探す、 という手順です。評判が良さそうでも、実際にどんなホテルなのかは、泊まっ てみない事には分かりません。

今までパリで試したホテルは4つ。どこも似たり寄ったりですが、静かで安い ホテルって、町中心や地下鉄駅からちょっと離れた所にあるんですよね。便利 さを取るか、快適さを取るか、なかなか難しい問題。

今回はオランダから友人がパリに来るので、彼に任せることにしました。 その友人、仕事でパリに行く事が多く、定宿にしているホテルがあるとのこと。 ソルボンヌ大学近くで、値段も手頃。今回は便乗し、良いホテルなら今後使わ させてもらおうという魂胆。


Atlantaを夕方7時にParisに向けて滑走路に出たDelta機は、なんやら電気 系統の故障とかで一旦ターミナルに戻ることを余儀なくされました。機内では Paris空港で乗り継ぎのある客たちが、次の飛行機に乗り遅れるかもと、時間 を心配し始めています。

ターミナルに戻り、技師らが機械をチェック。30 分ほどして、どうやら離 陸できるというアナウンスが入り、ようやくParisへと旅立ちました。

ところが話はここで終わらない。1時間ほど飛んだ後、突然の急旋回。機長 のアナウンス。「機器の調子が再び悪くなったので、Atlantaへ引き返す」と のこと。がーん。

Atlantaに着いたときは、もう夜の10時。ターミナルには人影もありません。 新しい飛行機に乗り換えることになり、別の出発口へと移動させられました。 飛行機は深夜1時になってようやく離陸し,6時間遅れでParis に到着しました。 朝9時半着の予定が、もう午後です。そのままホテルへと直行いたしました。 今回のホテルの部屋は…。

なんかとってもオトメチック!一瞬、入るのを躊躇してしまった。

● Parisトラブル続き,食事とか

高級レストランで無くとも、フレンチと言えばまず前菜があって、次にメ インディッシュ、最後にデザートがついてきます。どのレストランの前にも黒 板などに手書きのメニューがあり、そのまんまmenuという名の定食です。 Parisの町には、Menuを出すレストランがずらっと並んでおり、値段もピンキ リ。選ぶのに一苦労ですが、まずは値段、次に客の入りを見て、よさげなレス トランに入ります。

Menu(定食)を頼むなら、まず幾つかある前菜の中から一品、それにメイン を一品。それにワインを一本(2人以上いるなら)。デザートはメインを食べ終 わった後に選びます。本日のコースは(写真を撮り忘れたのが残念)、ベーコン と野菜のサラダ。それにチキンのワイン煮。

ベーコンサラダは、サラダの中に刻んだベーコンが入っているものを想像 していたら、ドンブリ一杯分のベーコンに数枚のレタスが入ったもの。これだ けでちょっと気分が悪くなりそうだったので、半分でストップ。チキンの方も、 大量の肉に大量のパスタ付きで、1/3程食べてギブアップ。

デザートはもう要らないと言っていたんですが、一緒にいたフランス人が 「これは珍しいから、是非頼め」と言っています。フランス名は忘れましたが、 要はフレンチトースト。なんでも、そういうチープなデザートは、普通のレス トランでは滅多に見かけないんだそうな。

本体部分は、普通のフレンチトーストと同じ。それにアイスクリームが乗 り、キャラメルソースが添えられています。すでに満腹だったので、とりあえ ずアイスだけ食べ、フレンチトーストの一部をコーヒーで流し込みました。な んか苦しみながら食事してるみたい。

お味の方は…そのまんまフレンチトーストでした。

Pairsの☆☆☆クラスホテルだと、朝食は別料金というのが普通みたいです。 大体10Euroくらいのビュッフェ。高いですが、外に出てカフェでコーヒーとク ロワッサンを頼んだって6Euroくらい取られるので、寒い中を歩かなくて良い 分ましかな。

長年、コーヒーはブラックしか飲みませんでしたが、いつの頃か牛乳を入 れるようになりました。胃腸を気にしてるわけじゃないんですけどね。猫舌な ので牛乳を入れて温度調整しているってのも一つの理由ですが。

ぱりぱりの焼き立てのクロワッサン、このあたりでは全くお目にかかれま せん。クロワッサンはアメリカのスーパーでも売られていますが、なんかフ ニャっとしてもの足りません。

Luxenburg駅近くで見つけた変な通り。狭い道に、なんと日本食レストラン が10軒近くならんでいます。おまけに、メニューが何処も似たり寄ったり。寿 司、刺身、焼き鳥。これじゃ過当競争になるんじゃないかと心配してしまいま す。もっと離れた所に店をオープンした方が儲かりそうなものなのに。

店の名前も変なのがあります。「よこらま」「とうきょうらま」。らま?

なんかフランス語の特別な意味でもあるのかと思い、居合わせたフランス 人の友人に聞くと、「なんでもある」とか「全部あわせた」とか言う意味だと。 あー、パノラマとかジオラマの「らま」ね。分かったようで分かりませんけど, いきなり「よこらま」見たら、ぜーったい横浜の勘違いと思いますよね。

● Parisトラブル続き,自由行動

今日は一日自由行動。お土産買いして一日潰すのももったいないし、久し ぶりにOrsay美術館に行きました。ここはParisでも一番好きな美術館。特に印 象派のコレクションは目を見張るものがあり、どれもどこかで見たことのある 有名な絵画で、一つ一つを時間をかけて鑑賞していると、とても全部見て回る 時間がありません。

ゴッホの展示室なんて、人で溢れていて、とても鑑賞の雰囲気では無いで す。他方、僕の好きなC.Pissarroの絵の前はガラーンとしていて、ゆっくりと 堪能できました。

絵を見ているだけでお腹一杯になってくる気分です。そのまま昼食は抜い てしまいました。昨日、大量に食べた分がまだ胃袋に残ってる気分だし。今回 は楽譜ツアーを止めて、チョコレートの旅ということにしました。Parisの有 名なチョコレートショップに行き、一番小さなパッケージを買ってくるという もの。

行った店は、シャンゼリゼにあるMaiffret、そこから程近いLa Maison du Chocolat、それにフランス人がフランス一番と薦めてくれたJean-Paul Hevin の3件。通りを歩いているだけで、チョコレートの店が幾つも見つかりますが、 全部試すのは不可能なので、一応有名どころだけを押さえておきました。

最後のJ.-P. Hevinはちょっと驚きで、店員さんが日本人っぽい。日本語で 買い物できます。で、日本人客がたくさん入ってました。日本でも有名なんで しょうね。

飛行機内での時間潰し(殆ど寝てますけど)に文庫本を1,2冊持って行きます。 今回は日本から戻ったばかりなので、何冊か買い置きがあり、それを持って再 び機上の人となったのですが、行きの飛行機トラブルで時間を持て余し、手持 ちの本を読み終えてしまいました。

で、前回Parisに来た時に見つけていたBook Off。店内は日本のBook Offと まるで変わりません。店員、客とも日本人。フランス人らしき店員もいますが、 流暢な日本語を話します。まるで日本に戻って来たかと錯覚する中で見つけた のが、玉村豊男の「パリ 旅の雑学ノート」玉さんのユーモア溢れるエッセイ は昔から好きで、彼の殆どの本はすでに読んだと思っていたのですが、これは 知りませんでした。1977年の発行なので、パリガイドとしてはさすがに内容が 古過ぎの感がありますが、それでも今のParisと比べて見ると興味深いものが あります。文庫本そのものは第25刷平成14年となっているので、旅行者か Paris赴任者が日本で買って持って来たんでしょう。一昔前のParisと今の Parisを見比べ、この本のかつての所持者はどんな感慨を持ったでしょうか。

Book Offには本の他にCDやDVDも売られています。DVDのコーナーで、東洋 人らしからぬ金髪青年が真剣にアニメDVDの品定めをしているのを目撃しまし た。日本のアニメがフランスで非常にポピュラーになっているのは聞いていた し、CD,DVDショップには宮崎アニメのコーナーが設けられています。おまけに、 今、Parisの映画館では平成ぽんぽこ、やっています。でも、日本の中古DVDを 物色しにBook Offに来るとは、フランスのオタクもなかなか本格的。

● Parisトラブル続き,そして最難関

海外出張ではパスポートに次いで重要なのがクレジットカード。カードが 無ければ、常時大金をポケットに持ち歩かなくてはなりません。もし現金を持っ ておらず、おまけに何かカードにトラブルがあったりすると、とても悲惨な状 況に陥ります。それを身をもって体験いたしました。

Parisのホテルで、インターネットの使用料をカード決済しました。そこま では順調。その後、町中へショッピング。最初に買おうとした小さなチョコレー トでトラブル発生。なんと支払いを拒否されてしまったんです。とりあえずは キャッシュで支払ったものの、頭の中は不安で一杯。これはきっと何かの間違 いに違いない。別の店で試してみよう。

ところが、次の店でもPayment Refused。もう半パニック状態です。今回持っ て来たクレジットカードは、これ一枚。手持ちのキャッシュ50Euro程度。カー ドが使えないとなると、ホテル代が払えません。「花のパリ」に居りながら、 ポケットの中にはたったの50Euroぽっちという寂しさです。

あわててホテルへ戻り、ロスアラモスの銀行に問い合わせましたが、カー ドには何も問題無いと言います。でも現実にカードは使えない。念のために キャッシュ(デビット)カードの方の一日使用限度額を一時的に上げてもらいま した。

翌朝、ホテルをチェックアウト。くだんのカードを恐る恐る出してみると、 案の定支払い不可能です。仕方無くキャッシュカードを使って支払いましたが、 解せません。もしかしたら僕のカードの番号が盗まれて、それを誰かが使い、 限度額を超えてしまったのか。

帰国後、銀行へ直行。カードがフランスで使えなかった旨説明すると、 「このカードは2週間前に日本で使われてるわね。それが先週ヨーロッパでも 使用されたので、盗難と見なされたのよ」だと。 なんじゃ、そりゃ。 フランスからわざわざ国際電話で問い合わせて、その時は何の問題も無いっ て言ったくせに。やっぱ銀行側でカードを止めてたんじゃんか。