update 2004/12/11

2004年11月

● ニューヨーク

Chicagoでの仕事を済ませ,一路,New Yorkへ.ChicagoとNew Yorkへ出張な んて言うと,なんかスノッビーに聞こえますが,単なるワークショップへの自主 参加です.しかもNew Yorkと聞いて,高層ビルが乱立するManhattanを想像する なかれ.New York州は結構広く,今回の出張も,辺りを鹿が闊歩するLong Islandの田舎です.

New Yorkに着いたのは土曜夜.翌日は,紅葉が盛りのLong Islandを友人と ドライブしました.コロニアルスタイルの家々を眺めつつ,レストランで昼食. その後,近くの「墓地」を散歩.この友人,墓場を見るのが趣味だそうで,墓石 に刻まれた墓標を一つ一つ眺めては感慨深げに話をし,ちょっと不気味です.

さらに,New Mexicoでは縁の無い「海岸」に出て,砂浜を散歩....のつ もりが,約10キロの道のりを歩くはめに.あまりに単調な海岸線のため,どこに 車を停めて海岸に入ってきたのかが分らなくなってしまいました.

ただでさえ歩くのがしんどい砂地を,車を探してさ迷い,何とか見つけて ホテルへと戻り,バーへ直行.一杯のビールで,なんとか命を取り留めたものの, New Yorkで遭難しかかったというのは,あまり笑えない話.


● ブラインド

随分前から宿題リストに載っていた南側窓のブラインドの取り換えを,つ いに実行.南側は幅6m程の大きなガラス窓になっていて,ブラインドを開けると 道路側から家の中が丸見え状態になります.しかもブラインドがかなり古く,きっ ちりと閉まらなかったり,降ろす途中で引っかかったりといった状態.意を決し て全部取り換えることにしました.

窓枠の寸法を詳細に計って,ホームセンターへ行き,カスタムオーダーの木 製ブラインドを購入.配達されたブラインドを3時間ほどかかって取り付け, ビールで祝杯.

なぜかネジが10本ほど余ってしまったことは,誰にも内緒.


● ボールペン

ノートを取るとき,僕は大体ペンシルを使っていますが,友人らはあまり使 わないようです.代わって幅を効かせているのがボールペン.あちこちで,広告 付きボールペンをただで配っていて,写真のようなホテル名付きボールペンが 次第に溜ってきます.もっともこれらは,貰ったんじゃなくて,ホテルから 失敬してきたんですけどね.

しかしながら,このアメリカ製(?)ボールペン,インクが途切れたり,ある いは出すぎたりで,書き味が非常に悪い.概してアメリカにある文房具は性能に 難ありなので,日本に帰国するたびに,日本製の文具を少しずつ調達するように しています.

愛用していた日本製水性ボールペンがあったのですが,職場の同僚と仕事の 打合せをしていたときに彼に貸し,そのまま持って行かれてしまいました.この 人物,こういった細かいものをすぐに無くしてしまう癖があり,気に入っていた ボールペンということもあって,彼の所に返してもらいにいきました.

彼は「あぁ,忘れてた」と言いながら,乱雑な机の上から僕のボールペンを 発見.でもキャップが付いていません.「キャップは?」と尋ねると,「ちょっ と待って」と言いながら,机の上の書類の山をかき分け,下の方からボールペン のキャップを3つ程発掘.で,「どれにする?」


● 暖炉

僕がブラームスの交響曲を最初に聴いたのは,まだ学生の頃だったから,随 分昔のことになる.その頃の記憶を反芻しつつ,暖炉に火をいれ,3番の交響曲 のCDをステレオにセットし,キッチンに行って氷を入れたグラスを用意した.

何度も読み返してすっかりボロボロになったペーパーバックを探すが,何処 にも見当たらない.仕方が無いので,新聞を片手にリビングへと引き返す.

キャビネットに入っていたはずのボウモアがすっかり空になっていることに 気づき,「やれやれ,必要なものというのは,本当に必要としている時に限って 失われるものだな」とつぶやきつつ,ボンベイ・サファイヤをグラスに注ぐ.こ のジンは冷凍庫で冷やして飲むというのが正しいとされているが,僕は気にせず 氷のグラスに流し込み,その隣にあったベルモットを少しだけ加えた.

暖炉わきのソファーに体を沈め,ローカル新聞に目を通す.この街のだれそ れが何とか賞を受賞という記事が目に入ってくる.この街の人間ならその喜びを 共有するのだろうし,それがローカル新聞としての役割なのだろうけれど,どこ にも属していない僕には遠い外国の話のように響く.

暖炉の火が弱くなって来たので,新しい薪をくべ,グラスにジンを注いだ. スコッチがあったらな,とまた考えながら,今くべた薪が勢い良く燃えるのを眺 めていた.スピーカーからは交響曲の最終楽章が流れている.この交響曲は,ブ ラームスの他の3つの交響曲とは違って,消えて行くように終る.あと1時間もす れば,暖炉の火も静かに消えてしまうだろう.

この部屋を満たしている音楽と暖炉の灯は,ある時間において僕と同じ時間, そこに存在していたという確かな記憶を与えるが,それは冬にすっかり葉を落と してしまった木の存在のように儚い.僕はグラスのジンを飲み干し,カルロス・ クライバーの指揮する4番の交響曲のCDをトレイに置いた.

(なりきりモード)


● デッキ工事

庭側に新しいデッキを作って欲しいと業者に頼んだのが,多分今年の初夏. 業者の都合やら何やらで着工は遅れ,やっと柱の基礎を作ってくれたのが8月. 元もと,デッキが必要になったのは,ここの下にあった 奇妙な穴のせいで,これを覆ってしまうために, デッキを新しく作ることにしたのです.でも,この穴も4日がかりの作業で埋め てしまったので,デッキの必要性は特に無くなりました.

でも業者は既に木材を発注していましたし,市の作業許可も取ってしまった ので,新しいデッキ設置計画はそのまま続行.晴れた日の朝,デッキで朝日を浴 びながら(朝日を読みながらでは無い)朝食を取るという,ささやかな野望があっ たためです.

さて,8月に基礎を作って以来,再び業者はやってきません.今年は例年に なく雨が多かったので,他所での作業が遅れているためとの説明です.とにかく 督促すること数回,先週の水曜日からやっと作業が再開されました.

作業を始めてから,その進捗の早いこと.2日で下枠が完成し,その次の日 には上の板の半分程を貼ってしまいました.そんなに簡単に作れるなら,もっと 早く来てやってくれよ,とは心では思っていても,口には出しませんでした.

とにかくこの調子ならあと2日もすれば完成だな,と安堵した翌朝,あたり 一面の銀世界.雨が多い年なら,雪だって降るということです.当然,作業は再 び中断.あと2日どころか,来年の春まで完成しないかも.


● 賞状を飾る

ひょんなことから賞状を頂く事になりました.たまたま僕の名前が入ってい たチームの昨年の仕事が評価されたということだそうですが,僕自身は単に名前 を連ねていただけなんですけどね.それはともかく,全メンバーに賞状が一枚ず つあると言うので,ありがたく頂いておきました.

で,この賞状ですが,カラープリンタで印刷しただけという,かなり手抜き の代物.あまり高級感が無いので,しばらく職場の机の横に放置していましたが, やはりフレームに入れて壁にかけることにしました.

町中の画材屋さんに行き,フレームを物色.品揃えは豊富なんですが,適当 なサイズの物が見当たりません.店の人に「Letter sizeのフレームは無いの」 と聞くと,「つい最近,研究所の人達が来て,大量に買って行ってしまった」と のこと.つまり,僕と同じ状況の人達がたくさん居て,賞状入れを買い占められ てしまったということ.

ただでさえ何と無くさえないカラープリンタ印刷物なのに,それが大量に配 布されていたとなると,10枚買えば必ず一枚は当たりになる宝くじに当たった気 分です.結局,透明プラスチックのケースを購入.5ドル也.

● 雪の上の足跡

こんな雪の中,動物たちは冬眠してしまったか,巣にこもって出て来ないだ ろうとは思いつつも,昨夜の夕食の残り物を庭に置いてみました.翌朝になって みると,こちらの思いとは裏腹に残飯はきれいさっぱり無くなっています.おも しろいことに,庭を徘徊した動物たちの足跡が,雪の上にくっきりと残っていま す.子供やリスたちが踏み荒してしまうまえに,写真を撮っておき,昨晩,誰が やってきたのか調べてみました.

足の形や指の本数を手がかりにネットで色々と調べると,写真右の長い5本 指で三角の足型はアライグマのものであることが判明.この足跡は庭中について おり,連中は夜間,庭のあちこちを物色して回っているようです.

もう一つの足跡(写真左)は,見るからに肉球って感じの犬の足跡ですが,多 分コヨーテでしょう.崖のすぐ近くで見つけました.こちらは庭の中には入らず, キャニオンづたいに家を遠巻きにして歩いて行ったようです.コヨーテの足の裏 も「ぷにぷに」してるんでしょうか.触ってみたい.

スカンクの足跡らしきものは見当たりませんでした.もう冬眠してしまった のかもしれません....と書いておいて,ふと「スカンクって冬眠するのかな」 という疑問がわきました.調べてみると,冬ごもりはするが冬眠では無く 睡眠とのこと.なんだか良く分りませんが...


● 親知らずを抜く話

まだ夏前の事でした.食事中に奥の差し歯がはずれ,ポッカリと大きな穴が あいてしまいました.歯医者に行って,元通り差してもらえば良いだろうと単純 に考えていましたが,ここはさすがアメリカ.一筋縄では行きません.

歯医者に予約を入れ,持参した差し歯を見せ,元あった場所に入れてくれる ように頼みました.でも,彼の返事は "No".「穴が大きすぎて,きちんと入ら ないかも」とか「新しい差し歯を作るには根元が小さすぎる」とか色々言われま したが,要するに日本でやった治療は,ここアメリカでは技術的に無理と言って いるようです.結局,この歯医者では歯垢を取っただけで終り.別の歯医者を紹 介してもらいました.これがたしか7月のこと.

この別の歯医者はOral Surgeryで,要するに差し歯を諦めて,根こそぎ抜い てしまおうと言うもの.X線撮影したところ,抜けた差し歯の隣に,まだ親知ら ずがあります.ええ知ってましたよ.抜いた憶えは無いですから.日本に居た時, 上の2本の親知らずは虫歯になりそうだったので,抜きました.でも下は歯ぐき から出てきていなかったので,「今,特に抜く必要無し」というかかりつけの歯 医者の判断の元,そのままにしていました.

アメリカという国,どうも親知らずを目のカタキにするようで「なんだ, まだあーるじゃない!」とか何とか言って,親知らず2本と差し歯の根,合計 3本を同時に抜くと言います.

「とりあえず差し歯の所だけじゃ,ダメ?」
「全身麻酔なんだから,1本抜いても3本抜いても同じよ.それに今日は13日の金 曜日」

かなり違うような気もするんですが,ヤットコの代わりにチェーンソーでも 持って来られたらたまらないので,仕方無く同意書にサイン.その後,手術前夜 は何も食べるなとか,服は脱ぎやすいもの,車は自分で運転するな,とか色々な 注意を受けます.それにしても歯医者で全身麻酔とは....

9月に手術の予約を入れたものの,保険が利かなくても日本で治療した方が ましと考え,予約を一旦無期延期.でも帰国の予定が延びてしまい,仕方無く再 度予約を入れ直し,昨日,Santa Feの歯医者まで行ってきました.

心電図やら血圧計,笑気マスク,点滴を取り付けられ,本当にこれが歯医者 なんかいな,とかなり心配になります.歯医者が入って来ると,腕にブスっと注 射を打たれ,そのまま眠ってしまいました.

看護婦から揺り動かされ,抜歯が終った事を告げられます.あっと言う間で す.まだ朦朧する頭で鎮痛剤や抗生物質の説明を受ます.もっとも,一応聞いて はいましたが,さっぱり頭に入らなかったので,横に居た家内に任せていました.

帰宅後,もらった薬を調べてみました.アモキシシリン(Amoxicillin)とい うのはペニシリン系抗生物質.イブプロフェン(Ibuprofen)は風邪薬なんかに入っ ている鎮痛・抗炎症薬ですね.エスタックイブっていう薬がありました.

もう一つ,アセトアミノフェン(Acetaminophen)という解熱・鎮痛薬があっ て,これは3,4時間おきに飲むように言われています.この薬,効果絶大で,効 いている間は全く痛みを感じません.しかも,なんだかホンワカとホロ酔い気分 になります.実はもう一種,ヒドロコドン(Hydrocodone)という薬が配合されて いて,これを調べていたのですが,日本語のWeb Site にあまり出てきません. それもそのはず.分類はなんと麻薬!


● ハーブ

スーパーでハーブの苗が安売りされていたので,数種類買ってまいりました. 一番手前がローズマリー,真中がオレガノ,一番奥はセージ.セージはsageと書 きますが,「さげ」とは読まないように.

数年前,筑波に滞在していたとき,夜中,無性にウィスキーが飲みたくなっ てホテルのバーに行ったことがあります.しばらくはウィスキー片手に文庫本を 読んでいましたが,今度はお腹が減ってきたので,バーの人に頼んで,何か食べ 物を作ってもらいました(メニューにはおつまみ程度の物しかなかったので,我 がまま言い放題).

そのとき出してくれたのが,軽く炒めたローズマリーを添えたガーリックトー スト.スーパーでローズマリーを見た時に,真っ先に思い出したのが,このガー リックトーストです.苗が大きくなったら,さっそく作ってもらおう....と ここに書いておけば,いつか作ってくれるだろう.


● 手作りクリスマスリース

昨年作ったクリスマスリースが,引越しのドタバタで壊れてしまったので, 新たに作る事にしました.命がけの抜歯の後,まだ残る顎の痛みと鎮痛剤による ホンワカ気分で仕事がろくにできないので(と言うか,する気が起きないので), 丁度良い現実逃避になりそうです.

材料は,家の回りで大量に手に入る松ぼっくり.それに葉っぱや枯れた草 など.松ぼっくりは,しばらく乾燥させておくと,だんだんと松カサが開いてき ます.家の中に置いておかないと,リスに「えびふりゃあ」にされてしまうので 注意.材料が乾いたら,金色のスプレーや透明ラッカーを吹き付けてツヤを出し ます.

針金ハンガーを輪にして,松ぼっくりを取り付けていきます.この針金ハン ガー,日本から持って来たもので,アメリカでは手に入りません.amazon.com とかで探しても,多分見つからないと思います.似たような針金が手に入るなら, それでも構いませんが,その場合,一旦ハンガーの形にする必要はありません.

針金への松ぼっくりの取り付けですが,僕は最初,細い針金で縛り付け,後 でグルーガンと接着剤を使って固定しました.ボール紙でドーナツ状の台紙を作っ てそれに貼り着けた方が簡単かもしれません.松ぼっくりは,針金の外周と内周, 2重の輪になるように取り付けます.

松ぼっくりのすき間から針金が見えてしまいますので,何かを埋め込みます. 庭に立ち枯れしていた姫向日葵があったので,この花の芯の部分を緑に着色して 貼り付けてみました.

この花の芯はもろく,触るとポロポロと壊れてしまいます.取り付け中にうっ かり触ってしまい,一部,円形脱毛症になってしまいました.スプレーで固めれ ば大丈夫と思ったんですが.

本当は,内周を金色にしたもの,外周は松ぼっくりそのままの色で統一する つもりでしたが,ちょっとした設計ミスのため,金ぼっくりが外周部に一部進出 しております.

ベル等の光モノを持っていれば,それもグルーガンでくっつけて出来上がり. 2000円くらいで買ってくれる人,いないかな.


● 薪割り

以前の家主が,輪切りにした松の木を薪として大量に残してくれていました. ただ,実際に薪として使うには更に小さく割る必要があります.薪割りなんかし たこと無かったので,暖炉に使う薪は専らスーパーで購入していました.

でも,目の前にある薪を使わないのは勿体無い.それに,いくつかのWeb Site で「薪割り」の方法を調べていると,「薪割りが,こんなに楽しいとは思 わなかった」とか,「ストレス解消に最高」とか,書いている人がいます.さら には「好きなスポーツは薪割りです!」と言い切っている人も.

これは躊躇して居られません.早速大きな斧を購入し,薪割りに挑戦しまし た.

まずは小さめの薪から挑戦.直径20cm程の丸太を台の上に置き,大きく振り かぶって,第一打を振り降ろす.ぐさっ.
「う,刺さった.....取れん...」
「パパ,割れないね」
「危ないから,あっちに行ってなさいね」

なんとか斧を抜いて,第二打.今度は薪の端の方を打撃したものの, 少し亀裂が入った.
「パパ,割れた?」
「まだまだ.割れた薪が飛んで来るかもしれないから,あっちに行ってなさいって」

続いて,第三打.今度は大きな亀裂が入り,斧も深く刺さる.... が,また抜けない....
「パパ,まだ?」
「あっち行ってろって言ってるだろ!」


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