update 2005/04/22

2005年4月

● 日本雑感

なんだかんだあったものの,何とかアメリカに戻ってきました.リスたちも, 久々の餌にありつけてほっとしている様子.約1年ぶりの里帰り,そして3週間半 という予定外の長きにわたる日本滞在を,思い出すままに書き綴ってみると...

まず気づいたのが,何だか人混みが黒っぽいということ.主に東京に居たの で,どこに行っても人だらけなのは避けようもありませんが,その稟とした黒さ が実は茶髪の減少から来ているということに気づくまで,少々時間を要しました. 一頃は猫も杓子も茶髪だったのが,この頃は減ってきてるんですね.あるいは 新入社員が街に溢れる季節だったので,黒髪が多かったのかもしれませんが.

こちらで子供が友達と一緒に写っている写真を見て,「げっ,ガキンチョの くせに髪,染めてパーマかけてるやんか.なまいきー」....と10秒ほど経っ て「あ,天然か…」と自分のアホな考えに恥じ入る毎日なので,黒頭集団の印象 は結構強いです.

雨の日,デパートの入口なんかに傘を入れるビニール袋が置いてありますよ ね.あれ,濡れた傘を中に入れるとき水滴がビニールの外に着いたりして,ちょっ と面倒.と,考える人が多かったのでしょうか.電動になっていたのにはちょっ と驚きました.機械の上の穴に傘をスポッと挿せばそのままビニール袋に入り, 次の袋が自動的に出て来るというやつですね.あんなものを自動化するなんて, やはり日本の技術は半端ではありません.喋るトイレにも驚きましたけど.

雨の日に限らず,晴れた日でも湿度が高いのは,日本ならでは.地下鉄に乗っ ていると,じとーっと汗が出てきます.長らく乾燥地帯に居たので,この汗の不 快感は本当に久しぶりです.機能を止めてしまっていた汗腺が,慌てて働き始め た感じ.家に戻ると,何よりも先にまずシャワー.で,冷蔵庫から缶ビールを 取り出して,という懐かしいサイクルを取り戻していました.それにしても4月 だと言うのに,この暑さは何?

滞在中,桜の開花宣言.靖国神社につめかけた報道陣を前に,気象庁の人が やや照れながら「開花ですね」とか言うと,あたりからパチパチと拍手.なんで?

案外面倒だったのは,現金を持ち歩くこと.こちらに居ると,支払いはほと んどカードだし,公共交通機関が無いので,運賃の小銭を用意することも無く, 結果的に現金をあまり持ち歩かなくなります.でも東京で地下鉄に乗るのに払う 160円をカードで,というわけにもいかず,財布の中身はじわじわと減少を続け ます.遂には現金が足りなくなり,しかもキャッシュカードは実家に居る家内が 持っているのでお金を下ろすこともできず,親戚に借金してしまいました.最初 は5万円ほど入っていたはずなのに,これもなんで?という感じ.(それは単に無 駄使いしたからです)

韓国ドラマが流行っているのは聞いてました.でも感情移入できないタチな ので,ドラマ系は大の苦手.何故かその韓国ドラマ,それも感動の最終回を見る ことになりました.もっとも,人が見ているのを,大人しく後ろから眺めていた だけですけど.

タイトルとかは忘れましたが,恋人が病気で死んでしまうというもの...っ て,もしかして,このパターンが多すぎて,それだけじゃ分らないかも.とにか く,海辺で恋人の腕の中で息を引き取る(うぅぅ,こうやって書いているだけで 背中が痒くなる)というシーンがあり,これでやっと番組終了と思いきや…

次のシーン.何故か白いピアノが海辺に置いてあり,主人公がショパンのピ アノ協奏曲の一節を弾いています.なぜここにピアノが? 恋人との思い出に浸 るために,わざわざ運んだのでしょうか.それにしてもグランドピアノです.一 人では運べません.きっと画面脇の方に運送屋さんが待機しているはず.だって すぐに元に戻さないと,潮風でピアノが傷んでしまいますよね.

調子に乗って書いていると,熱狂的なファンから袋叩きにあいそうなので, この辺でやめとこう.

何はともあれ,不在中家の世話をしてくれた方々,本当にありがとうござい ます.


● 花壇

写真で見ると芝生のようにも見えますが,実は単なる雑草です.帰国最初 の週末,裏庭の雑草が手におえなくなる前に電動草苅り機で短かく切り揃えて しまいました.全面芝生にしたいとは思っているのですが,かなりの面積を除 草して芝を貼るのは大変なので,今の所雑草を苅り込むことでカモフラージュ しています.遠目に見れば,案外分からないものです.

草苅りを一通り終えると,日当たりのよさそうな庭の一角に,花壇を作り ました.丸く耕して石で囲っただけの簡単なものですが,裏庭なので,人に見 せびらかすでもなし,これで十分.

買い置きしていた種は,向日葵とコスモス.奥の方に背が高くなる向日葵 を植え,手前にコスモスの種を蒔きました.特に向日葵は,リスどもが種をほ じくり返さないことを祈るばかり.餌を日に3度やっていれば,植えた種まで は食べないでしょう.

さて,スコップで地面を耕し(結構重労働です),種蒔きを終え,残った種 が無いかと確認すると,まだスィートピーが残っています.支柱がいるじゃん か,この花壇じゃだめだな,とガックリとあたりを見渡せば,すぐ間近にある じゃないですか,コヨーテフェンス.

フェンスの真下を細長く耕し,無事スィートピーの種も蒔くことができま した.フェンスに草を絡ませると動物が入ってきやすくなる気もしますが,フェ ンスがあろうがなかろうが,入ってくる連中(スカンクとかアライグマ)は入っ て来るので,関係ないですね.

草刈りと花壇作りで過ぎ去った週末.残ったのは両腕の筋肉痛,それに大 量のビールの空きビン.


● ピアノ編曲

ピアノ曲に名曲は数あれど,管弦楽の名曲だってピアノで弾いてみたいと 思うわけです.すでに編曲されたものを買ってくれば済むことですが,さほど 多いわけではありません.有名所ではLisztによるBeethovenの交響曲全集など. FaureやMozartのレクイエムのように,合唱パートの練習用にオーケストラ部 分をピアノで弾けるようにしたものも売られています.

実は,ピアノへの編曲はさほど難しいわけではありません.ただ面倒なだ け.気にいっている曲を自分でピアノ編曲したものがい幾つかありますが, 基本的に手書きの楽譜となるので,あまり弾き易いものではありません.

先月の帰国の折に買ってきた楽譜は,こういうピアノ編曲もの.一つは G.Mahlerの交響曲第5番の4楽章Adagietto.Viscontiが「ヴェニスに死す」と いう映画で使って有名になった,弦楽器とハープだけで演奏される美しい曲で す.この曲,写真のように10年ほど前に自分で編曲したものがあるのですが, やはり手書きよりも印刷されたもののほうが見やすいので買ってきました.編 曲自体はあまり変らないようです.

もう一つは,G.Holstの組曲「惑星」のピアノ編曲版.これも「金星」だ けは自分で編曲したものがあるのですが,とても全曲を編曲する根性は無かっ たのでお金で解決した次第です.

管弦楽曲をピアノ用に編曲するのが面倒な点の一つは,ピアノでは音を持 続できないし,ましてや叩いた音をクレッシェンドできないということ.鍵盤 を叩けばそれっきりですが,管弦楽では音の強さを変化させることができます. 管弦楽スコアにクレッシェンドの指示があっても,ピアノでは再現できません ので,音が大きくなっていくような気分で弾くだけです.

できない筈のクレッシェンドですが,何故かそれが指定されているピアノ 曲があります.Ravelの管弦楽編曲のほうが有名なM.Mussorgskyの「展覧会の 絵」の「カタコンベ」という曲で,単なる和音にクレッシェンドが指定されお り,「どないせいっちゅうんじゃ」とつっこみたくなります.

演奏するときは,まずこの和音をひっぱたいた後,すーっと息を吸いなが ら鍵盤を押さえる指に次第に体重をかけて,次の和音を大きな音で鳴らすとい う感じ.ようするに気分だけ.

ちなみに電子ピアノだと,鍵盤を叩いた後,ヴォリュームを上げるという 技が使えますけどね.


● 前庭緑化計画

アメリカの町にしては,ここの住民,前庭の手入れのことをさほど言いま せん.たまに草刈りすれば「きれいになったね」と挨拶される程度.辺りにも 草ボウボウの家が数軒ありますし.

それでも花壇なんかを作っていると,やはり雑草が茂る前庭は見栄えがし ません.意を決して雑草を全部とり払い,芝生かなんかを植えることにしまし た.

まずは,この世の春を謳歌している雑草や古い芝を取り除く必要がありま す.1本1本抜いていたのでは切りが無いので,表面をスコップで削り取ること にしました.

2時間作業して,進捗は全体の約1/10.表面はさほど草が無いように見え ても,地下はまるで絨毯のように根がはびこっています.元々芝もあるにはあ るのですが,なぜか色んな種類のが混在していて,互いに勢力争いしています.

今週末までに全部取り終えて芝の種を蒔く予定でしたが,今では「秋まで には終ればいいか」と予定修正.


● デッキチェアとテーブル

ウッドデッキ工事がやっと終わり,念願のデッキチェアとテーブルを揃え ました.夏の夕暮れ,外で山を見ながらゆったりとビールを飲む,もうこれに つきます.

丁度アウトドアシーズンの始まりということもあり,新聞広告にはデッキ に置けるテーブルセットが数多く出ています.その中でもK-Martの広告によさ げなのがあったので,Santa Feまで買い出しに行きました.テーブルと4つの 椅子込みで2万円ほどです.

レジで支払いを終え,店の人が車まで持ってくると,問題発生.テーブル の天板が車に入らない.どちらかと言えば大きな車(Jeep)なんですが,どうやっ ても入らない.

暫く格闘した後得られた結論は,車の上に積むというもの.K-Martのおじ さんがロープを持ってきてくれ,天板を車の上に縛りつけました.「これで落 ちない」とK-Mart氏は太鼓判を押しますが,かなり不安です.帰りの50kmの道 程を,普段よりもぐっとスピードを落して帰ってきました.

それにしても,Jeepに乗らないような品物が極普通にスーパーで売られて いるなんて,やっぱり生活の物差しが違いすぎます.


● blog始めました

この日々雑感のコーナー,分量が増えてきて整理が面倒になってきたので, 巷で流行っているblogに移行することにしました.

AspenMesa.com / blog /

読んでくださっている皆様,思う存分,ツッコミを入れてくださいな.


<PREV]